0001アルカリ性寝屋川市民 ★
2018/10/14(日) 23:48:50.94ID:CAP_USER9https://youtu.be/2miD681c_YE
2018年10月6日(土)、神奈川県相模原市にある防衛装備庁陸上装備研究所にて一般公開イベントが開催されました。
この研究所は自衛隊が使う火器、弾薬、耐弾・耐爆、車両、施設器材などの研究、試験を行っており、防衛に関る装備ということで秘密の分野もありますが、学会やシンポジウムで積極的に情報公開もしています。年1回程度行われる一般公開では普段目にすることができないようなモノや技術を見ることができます。
自衛隊向けだからといって、兵器ばかり研究しているわけではありません。なかには民間でも使えるのではないかというものもあります。たとえば「軽量戦闘車両システムの研究」における電気自動車「インホイールモータ試験車両」が走行展示を行いました。この試験車両は6輪車ですが、すべてのホイールにモーターが組み込まれるインホイールモータ方式を採用しています。
この方式では直接モーターの駆動力がホイールに伝えられるため効率が良く、車内にドライブシャフトを通す必要もないので車内容積を広く取ることができます。動力が6個に分割されているので、故障や戦闘などで全動力を失う確率が低くなります。また各ホイールの回転数を自由に調節できるので、路面状態に合わせたトラクションコントロールができるほか、大きな特徴は普通のクルマでは絶対にできない超信地旋回が可能なことです。
「超信地旋回」とは、左右の車輪を互いに逆回転させて、車体の中心を軸としてその場で旋回することで、戦車やブルドーザーなどの履帯(いわゆるキャタピラー)式車両のみが可能でした。タイヤ(装輪)車両で超信地旋回させるには、各タイヤの回転数を微妙に個別にコントロールする必要があるので、機械式トランスミッションでは難しく、スキッドステアローダーなどのごく一部の特殊小型車以外は実用化されていません。
ちなみに装軌(履帯を装備していること)の戦車でも超信地旋回させるには複雑なトランスミッションが必要になるため、これが多くの戦車でできるようになったのは最近のことです。
技術はいずれ民間に? その前に課題も
もちろん、普通の自動車のように車輪をステアリングして旋回することも可能ですが、では超信地旋回ができるメリットは何でしょう。クルマの運転で狭い場所で切り返しには何度も前後進を繰り返して苦労します。しかし超信地旋回ができればその場で180度の方向転換も可能で、小回りが抜群に利くようになります。
一方問題点としては、地面からの振動が直接モーターに伝わりますので耐久性が必要ですし、ホイールに収まる小型サイズで充分なトルクを発揮しなければなりません。試験車の下回りを見ると各ホイールには太い配線が何本もむき出しで通っているのが分かります。
戦闘車両として使うには、このむき出しになっているモーターや配線類の防御が必要になります。最高速度や馬力、航続距離などは試験車でもあるので公表されていませんが、重量は武装などフル装備させて15t以内に抑えることを目標にしているようです。
運転席には、電気自動車なのでシフトチェンジレバーはありません。ハンドルとアクセル、ブレーキ、いくつかのスイッチ、速度とバッテリー残量などを示すモニターだけのあっさりした物です。超信地旋回させるには右側パネルにある「左右輪逆回転機能」スイッチを操作します。
様々なメリットがあるインホイールモータ車は、ほかに自動車メーカーや研究機関で研究開発されていましたが、モーターの小型軽量化技術が難題で実験段階から進んでいないようです。陸上装備研究所の成果によってはこの技術が民間車に拡散していく可能性も充分にあります。そもそも技術に軍事用、民間用の区別はありません。生活に欠かせないインターネットやカーナビ、電子レンジやコンピューターだってもともと軍事用技術だったのです。
※長いので続きはソースで
乗り物ニュース(月刊PANZER編集部) 2018.10.13
https://trafficnews.jp/post/81720