発掘調査を進める古宮遺跡=白山市で(県埋蔵文化財センター提供)
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 県教委は十九日、発掘調査中の白山市古宮遺跡で平安時代後期から室町時代後半までとみられる四つの遺構が見つかったと発表した。遺跡は同市の白山比め(しらやまひめ)神社の前身となる「白山宮」の一画とみられる。祭事用の皿などが多数見つかっており、白山宮の変遷の歴史などが明らかになる可能性がある。

 神社の文献によると、神社は奈良時代の七一六年に安久濤(あくど)の森(現在の古宮公園)に鎮座。一四八〇年の火災で本宮本殿が焼失し、現在地に移ったとされる。

 発掘調査は県の自転車専用道「手取キャニオンロード」の整備のため、古宮公園に隣接する北陸鉄道石川線の廃線部分約千二百五十平方メートルで行われている。

 調査では、平安後期、鎌倉−室町期、室町後期の計四つの遺構が見つかった。建物の礎石や祭事で使われる素焼きの皿「カワラケ」、加賀焼、珠洲焼のすり鉢など二万点が出土した。

 県教委によると自然災害や火災が起きるたびに、再建を繰り返していたことから同一カ所で年代の違う遺構が見つかったと考える。

 県教委は二十七日午前十一時と、午後二時から現地説明会を開き、出土品の一部も公開する。事前申し込み不要。(蓮野亜耶)

中日新聞 2018年10月20日
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