親が病気や自殺などの理由(交通事故を除く)で亡くなったり、重度の障害を負ったりして、あしなが育英会(東京)の奨学金を受給している世帯を同団体が調査した結果、約8割が現在の暮らしぶりを「苦しい」と感じていることが19日までに分かった。

育英会は9月、4225世帯を調査し、2635世帯が回答(回答率62.4%)。全世帯対象の調査は2002年以来。

現在の暮らしぶりを尋ねると、「苦しい」と答えた世帯は83.1%。前回調査の74.8%を上回り、厳しい生活ぶりがうかがえた。

親が就業しているのは74.8%で、手取りの月収は平均14万6380円。母子世帯では平均13万9173円だった。

就業世帯を見ると、雇用状況も前回と比べて悪化しており、「正規の職員・従業員」は41.9%から35.4%に減少。パートやアルバイトなどの「不安定就労」は37.8%から56.2%へ増えた。不安定就労は母子家庭で目立ち、42.6%から62.1%となった。

分析に携わった福岡女子短大の加藤朋江准教授は「遺児世帯は苦しさをずっと抱えて暮らしている状況だ」と話した。〔共同〕

2018/10/19 9:56
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3667529019102018CR8000/