神戸市立小中学校で平成29年度に認知されたいじめ件数が過去最多の4782件に上ったことが22日、市教育委員会への取材で分かった。

国はいじめ問題に向き合うためには積極的な認知が必要との方針を示しており、市内の学校でも対応が進みつつある。
市教委は認知されたいじめの約97%について、学校側の対応で「解消した」としている。

市教委によると、29年度の認知件数は小学校で3183件、中学校で1599件。27年度から全国的に悪質ないたずらなども「いじめ」とみなすようになったことを受け、
27年度に前年度(307件)から11倍超の3493件に急増し、その後も増加が続いている。

増加の要因の一つは、市教委が学校にささいにみえるトラブルでも報告するよう求めていることだ。
28年にいじめを受けていたとされる市立中学2年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、現在も調査が行われている事案を受け、
担当者は「教育現場ではより慎重に、組織として対応するようになった」と話す。

一方で、難しいのはいじめが解消したかどうかの判断。かつては基準があいまいで、市教委が「いじめ解消率は100%」と公表して非難を浴びたこともあった。
しかし、昨年3月に国が「いじめ行為が少なくとも3カ月は止み、被害者が心身の苦痛を感じていないこと」を「解消」と定義した。

新基準に基づいた昨年度の解消率は小学校で97・5%、中学校では96・2%。
一定の判断基準が設けられたことや、認知件数の中に一過性のトラブルが多く含まれることなどから高い数字となったが、
担当者は「数字に安心せず、学校には継続して報告を上げてもらっている」と強調する。

ただ、市教委には「教員が疲弊している」との声も届いており、実際に対応にあたる教員にとって、こうした取り組みが負担になっている実態もある。
現在、有識者会議を中心に議論されている市教委の組織改革では、適切な人員配置や外部人材の活用などが検討課題に上がっている。

市教委の小寺功一・首席指導主事は「最近は認知しにくいインターネット上のいじめが多く
さらに子供に注意を払う必要がある。教員の仕事も増えており、どうサポートするかを考えなければならない」としている。

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2018年10月23日 7時27分 産経新聞

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