文部科学省は23日、医学部医学科のある全国の国公私立大を対象に実施している入試調査の中間報告を発表し、面接などで女子や多浪生の合格ラインを高く設定したり、出願書類の審査で現役生らに加点したりといった、不適切とみられる入試の具体例を明らかにした。

 一方、該当する大学名や校数については、調査が継続中であることなどを理由に示さず、大学側の自主的な公表を求めた。年内を目途に公表する最終結果において判断するとしている。

 文科省が「不適切である可能性の高い事案」としたのは、(1)調査書や出願書類の審査で、現役生らに加点し多浪生に加点しない(2)学科の得点が同じでも、多浪生や女性は面接などでより高い評価を得ないと合格できない(3)同窓生の子女ら特定の受験生を合格圏外でも合格させる(4)補欠の繰り上げ合格で、得点順ではなく特定の受験生を優先させる−の4つ。

 このほか「誤解を招きかねない事案」として、(1)面接で家庭環境や経済状況について詳細に質問する(2)合否判定の資料に同窓生や教職員の子女かどうかを記載する−などの具体例を示した。

 こうした事案について柴山昌彦文科相は23日の閣議後会見で、「受験生の努力を裏切り、大学に対する社会的な信頼を損なうもので大変遺憾だ」と述べた。さらに、来年度入学生を対象とする入試の公正な実施に向け、入試方法の再点検を求めるメッセージを同日付で全ての国公私立大学に出した。

2018.10.23 10:58
産経ニュース
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