台湾で、特急列車が脱線して18人が死亡した事故で、運転士が、列車を制御する安全装置を切ったのを管制センターに報告していなかったことが明らかになりました。安全装置が切られたと管制センターが把握できていれば、速度に注意するよう指示できたかもしれず、当局が当時の状況を詳しく調べています。

台湾北東部の宜蘭県で今月21日に8両編成の特急列車が脱線した事故では、乗客18人が死亡し、190人がけがをしました。現場では、24日、線路を修復する作業が終わり、午前中から列車の運行が再開されました。

この事故では、列車が脱線する直前の速度は、制限の時速75キロを大きく上回る140キロに達していたとみられ、運転士は、「動力系統に問題が起き、自動的に列車を制御する安全装置を切った」と話しています。

これについて、鉄道当局は、24日に開いた記者会見で、安全装置を切る際は運転士が管制センターに報告するよう定められているものの、今回、運転士は報告せず、管制センターは安全装置が切られた状態で走行していることを把握できなかったことを明らかにしました。

もし管制センターがそうした状態だと把握できていれば、運転士に速度に注意するよう指示を出せたかもしれず、当局の事故調査チームが当時の状況を詳しく調べています。

また、運転士が説明している動力系統の問題について、当局は、空気を圧縮する機械に不具合は確認されたものの、走行には差し支えない状態だったとしていて、双方の主張が食い違っています。

2018年10月24日 19時53分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181024/k10011684481000.html?utm_int=news_contents_news-main_003
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