<陸自>炭疽菌や放射線の検知装置試験結果を改ざんか
10/26(金) 22:45配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181026-00000109-mai-soci

 陸上自衛隊は26日、装備品の調達や管理などを担当する補給統制本部(東京都北区)で、炭疽(たんそ)菌などの生物剤や放射線を検知する装置の通信試験結果が書き換えられた疑いがあると発表した。内規で定めた基準値内に電波の出力が収まるように改ざんしたとみられる。陸自は検知装置の運用を停止して詳しい経緯を調べており、関係者を処分する方針。

 陸自によると、試験結果が改ざんされた疑いがあるのは生物剤警報器と広域放射線監視装置で、全国の化学科部隊に24セットと19セットが配備されている。いずれも複数の検知器から無線で警報器に検知結果を伝える仕組みで、防衛省の訓令に基づき、委託業者が年に1回、電波の出力や周波数などを試験し、補給統制本部が基準値に合っているかを確認している。

 基準値を超えた場合は修理などが必要だが、同本部の隊員が基準に合うように試験の成績表を書き換えていると関係者から情報提供があり、一部の隊員が陸自の調査に改ざんを認めたという。

 いずれの検知装置も年に数回、演習場などで訓練に使われているが、陸自は「電波は微弱で、人体や周辺への影響は想定されない」としている。【前谷宏】