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ついでに、>>988-991 に絡めて、どうしてクロミンクへのDNAバイオプシーが難しいのか、書いておきましょう♪

ザトウやナガスと比して小型ですばしっこいクロミンクの体組織試料を得難いのは、それだけ的(マト)が小さく小回りが利くから、です。
ザトウやナガスに使ってるバイオプシーガンの射程まで近付こうにも、ガタイが小さい上に運動性能の高いクロミンクに当てる事は困難。
そしてそのクロミンクの運動性能の前では、距離が遠ければ遠いほど、現在の飛翔速度では目標到達の前にマトに移動されてしまう、という事です。

では、クロミンク専用に射程距離を長く、射出・飛翔速度を増したバイオプシーガンを使ってみればどうでしょうか?
射程距離が長く・飛翔速度も速いという事は射出圧力が高いという事で、その高い射出圧力でマトに当たっても標本採取筒が壊れない様に射出体自体も頑丈にする必要があります。


・・・さて、射程距離の長いバイオプシーガンが完成したとしましょう。
今までよりも遠い距離から狙うことが出来るので、クロミンクに接近出来なくとも組織標本を抉り取ることに成功する確率が格段にUPしました!!

しかしながら、ザトウやナガスより遥かに小型で皮も肉も薄いクロミンク相手に、
そのすばしっこい動作でも逃げられないほどの距離から撃っても当たり、尚且つ標本採取筒も壊れない程頑丈な飛翔体、
という事は撃たれた鯨さんの肉体に大きなダメージを与える、という事です。


正直、大部分のクロミンクに関し南半球冬場の回遊先が判ってない以上、(全個体からのランダム採取でなければ意味を成さない) 系統群把握の為のDNA情報採取は
南極海で行う他は無く、その荒い海でクロミンク相手のバイオプシー採取を円滑に行えるバイオプシーガンの威力は捕鯨砲と大差無い事になりますw

折角開発したクロミンク用の高圧・長射程バイオプシーガンで撃たれた小柄なクロミンク鯨さんは瀕死の重傷負っちゃいます。
肉も得られないのに組織標本だけ採って鯨を死なせたら勿体ねえじゃねえかよバカw


ハイ、これが「殺さなくても出来るんだもんッ!!」と大見得切った豪主導のAWEが、開始4年以上も経ってクロミンクには未だまったく手付かずのままになってる、
その大きな要因です。クロミンク相手の数百以上のDNAバイオプシー、やれるもんならさっさとやって見せろってのw

捕鯨砲手、所謂「テッポウさん」、特に荒い南極海でのそれに高い技術が求められるのは、捕鯨砲の射出圧力と飛翔速度ですら鯨体に命中させるのが困難だからだよ。対象がクロミンクなら尚の事。
骨に当たったり、入射角度によっては皮の上でさえハープーンの刃先も弾かれるのに、標本採取用の筒がキチンと刺さり且つ壊れない様に造ってしまえば、それが小型のクロミンクにとって殺傷力を持つのも致し方ない。

ついでに言えば、ランダムサンプリングは南極回遊一年生の、乳離れして間もない個体も対象にしなければならないんだけど、
大人でも瀕死のバイオプシーガンで子供撃ったら高確率で殺しちゃうよねw 豪がやれないのもアタリマエ。


つまり、荒い南極海で鯨への接近と射撃に熟練した日本の捕鯨船員ですら、クロミンク相手のバイオプシーガンでのサンプル採取は極めて困難なので、年5試料分しか成功しなかった、という事です。
捕殺で得られる数百の試料の補助としても、たったの5サンプルではほぼ無意味なレベルだね。

結論としては、  今  後  も  捕殺サンプリング主体での系統群構成把握に努める他に方法は有りません♪