ドイツ中部ヘッセン州の議会選挙で与党が得票率を大幅に落としたことを受けて、メルケル首相は29日、次の党首選挙には立候補せず、首相として現在の任期を務めたあと政界から引退する考えを明らかにしました。13年にわたってヨーロッパ政治に大きな影響を与えてきたメルケル首相の後継者選びが今後、本格化する見通しです。

金融都市のフランクフルトがあるヘッセン州の議会選挙は28日に投票が行われメルケル首相が率いる「キリスト教民主同盟」が得票率を大幅に落とした一方で、難民の受け入れに反対する右派政党が躍進しました。

この結果を受けてメルケル首相は29日、首都ベルリンで記者会見し「キリスト教民主同盟」の12月の党大会において、党首選挙に立候補しない意向を示しました。

また首相として2021年の任期満了まで務めたあと、政界から引退する考えを示しました。

党首を辞めれば政権内での求心力の低下は避けられないとみられ、任期を全うできるかどうかは不透明です。

メルケル首相は、2000年から「キリスト教民主同盟」の党首を務め、2005年に首相に就任し、ヨーロッパの政治を主導してきましたが、今後、党内で後継者選びが本格化する見通しです。

12月の党首選挙には、メルケル首相に近いとされるクランプカレンバウアー幹事長や難民政策でメルケル首相を批判してきたシュパーン保健相らが立候補する見通しです。

■仏大統領「勇気を持って国を導いた」

ドイツのメルケル首相が引退する考えを表明したことについて、メルケル首相とともにEU=ヨーロッパ連合の改革を主導する姿勢を示してきたフランスのマクロン大統領は29日、パリでの記者会見で「決断を尊重する」と述べました。

そのうえで「移民問題や金融危機など多くの課題に直面しながら、メルケル首相は決してヨーロッパの価値観を忘れることはなかった。勇気を持って国を導いていた」と述べて、その功績を高く評価しました。

ただ、今後、メルケル首相は求心力の低下が避けられないとみられ、ドイツとともにEUの改革を推し進めたいマクロン大統領にとって大きな痛手となりそうです。

2018年10月30日 6時24分
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