(上)出土品の素焼きの皿「カワラケ」の破片 (下)白山市古宮遺跡の発掘現場を見学する参加者ら=いずれも白山市白山町で
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 県埋蔵文化財センターは二十七日、発掘調査中の白山市古宮遺跡(同市白山町)で見つかった平安時代後期から室町時代後期までとみられる四層の遺構の現地説明会を開いた。二万点以上の出土品の一部が公開され、参加した約百十人が当時の暮らしに思いをはせながら発掘現場を巡った。

 遺跡は白山比め(しらやまひめ)神社(同市三宮町)の前身になる「白山宮」の一画とみられ、室町時代の一四八〇年の火災で同神社は現在地に移ったとされる。発掘調査は県の自転車専用道「手取キャニオンロード」の整備のため、古宮公園に隣接する北陸鉄道石川線の廃線部分約千二百五十平方メートルで行われている。

 説明会は午前と午後の二回実施。参加者は鎌倉時代の加賀焼、中国製の青磁や白磁といった出土品を見た後、発掘現場を見学した。

 同センター専門員の安中哲徳さんが案内し、素焼きの皿「カワラケ」が大量に発見されたことにより祭事が頻繁に行われていたと推測されることや、礎石が規則的に並ぶ場所では建物が存在していたことを解説。「火災などの災害が起きるたび、再建を繰り返していたことから、同一箇所で年代の違う遺構が見つかったのでは」と説明していた。

 参加者は「この石は何に使われていたのか」などと質問していた。同市白山町の高畠里美さんは「『古宮公園』と親しんできたけれど、本当に古い神社があったなんて」と話した。発掘調査は十一月上旬まで続けられる予定。(都沙羅)

中日新聞 2018年10月28日
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