9月にブラジルで行われたIWC総会で賛成多数で可決された『フロリアノポリス宣言』の
和訳があったので、重要と思われるところを抜き書きしてみた。


・鯨類が生態系において重要な役割を担い、また自然環境や人々に利益をもたらす存在であって、

・持続可能な非致死的・非抽出的な利用が急速に高まりつつあり、これらが発展途上国を
中心として世界中の沿岸地域共同体に大きな社会経済的利益をもたらしていることを認め、
(ホエールウオッチングを指してのことか)

・『鯨類の個体数を近代捕鯨以前の水準まで回復させることの責任を含む21世紀の国際捕
鯨委員会の役割に同意し、』『この背景のもと商業捕鯨モラトリアムの重要性を再確認し、』

・現代において鯨類の非致死的調査法が多数存在することを認め、またそれによって致死
的な調査法の適用が不必要であることに同意し、
(これは日本式調査捕鯨そのものの否定か)


それよりも何よりもこの宣言の冒頭で、以下の一文が入っていることが大きい。

・『委員会は、・・・海洋生態系における重要な生態的役割や炭素循環への貢献を満たす
ための健全な鯨類資源の維持に関する役割を担うことを認識し、』

これは鯨類は地球環境にとってなくてはならない存在、という現代の科学研究から出て
きた成果をこの宣言に盛り込んだということ。
これはとても大きい。
これによって国際捕鯨委員会(IWC)において鯨類保護は不動の地位を得たと言ってもよい。


21世紀におけるIWCの役割りはクジラ保護なのだと強く訴える宣言になっている。


2018年度IWC総会 「フロリアノポリス宣言」の和訳
http://kogia-sima.hatenablog.com/entry/2018/09/17/032251