11/7(水) 10:38配信 千葉日報オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181107-00010000-chibatopi-l12
https://amd.c.yimg.jp/im_siggfGYl9KM0o9sx0bQYbmzpuQ---x705-y900-q90-exp3h-pril/amd/20181107-00010000-chibatopi-000-1-view.jpg
電柱をなぎ倒すほどの大規模な土砂崩れが発生。市道を完全にふさいだ=6日午後4時40分ごろ、市原市大桶

 6日午後2時15分ごろ、市原市大桶の市道(通称うぐいすライン)を通り掛かった人から「土砂崩れで電柱1本が倒れている」などと110番通報があった。市原署によると、道路脇の斜面が崩れ、幅約40メートルにわたり4〜5メートルの高さに積もった土砂が道路をふさいだ。同日午後9時までに、巻き込まれた人や車両はなかった。市が付近を通行止めにして土砂の撤去を進め、同署で原因を調べている。

 千葉県中部林業事務所や市によると、現場斜面から約60メートル上の場所で、東京・港区の会社が2016年12月から太陽光パネルを設置するため再生土を埋める作業をしており、何らかの原因で再生土が流れ出たとみられる。

 土砂崩れ発生時には雨が降り、下請けの大網白里市の土木会社の作業員7人が作業していた。作業員は「大きな音がして下を見たら土砂が崩れていた」と話したという。

 同事務所は今月2日、土砂崩れを防ぐ目的で作業現場に雨水をためる調整池を造るよう業者に指導していた。これまでにも同様の指導を行っており、土砂崩れとの因果関係について同事務所は「施工前に調整池を完成させずに作業していたことが原因の可能性が高い」としている。

 現場付近では今年9月にも台風による大雨の影響で道路に泥が流出し、防止策として土のうを積むよう県が業者に是正命令を出していた。業者は命令に従い、さらに高さ1メートルの柵を設置したが、柵越えに再生土が流れ出た。

◆被害者有無確認で緊迫
https://amd.c.yimg.jp/amd/20181107-00010000-chibatopi-001-1-view.jpg
土砂崩れ現場で対応に追われる関係者=6日午後4時25分ごろ、市原市大桶

 市原市大桶の市道で6日発生した大規模な土砂崩れは、見上げるほどの高さに積もった再生土が道路をふさぎ、関係者を一様に驚かせた。「静かに」「足音も立てないで」−。市消防局は地中音響探査機で埋もれた人の有無の確認などに当たり、現場は緊迫した雰囲気に包まれた。

 土砂崩れは電柱を軽々となぎ倒すほどの規模で、現場対応に当たった警察や消防などは情報収集に追われた。日没後はライトを点灯し、重機を使っての復旧作業。通行止めが続き、多くの人が迂回(うかい)を余儀なくされた。

 現場を訪れた60代男性は「こんなにひどいとは思わなかった。中に人がいなければいいが…」と不安げな表情。間一髪で土砂崩れの被害を免れた通行人の男女に話を聞いたという70代女性は「近くまで行ったが、ものすごい量だった」と驚きを隠せない様子だった。