国連、WHOの、国連条約における大麻規制レベル引き下げの経過を纏めておく。

「麻薬に関する単一条約」は、『人類の健康と福祉』を目的としている条約だ。

条文の一番最初に『締約国は人類の健康及び福祉に思いをいたし』と書いてある。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S39(2)-0601_1.pdf

「薬物政策国際委員会」は「麻薬に関する単一条約」からはじまる薬物戦争が
失敗に終わったことを宣言し、大麻の合法化の検討といった薬物政策の
見直しを求めた。

条約は「人類の健康と福祉」を目的としているが、成功をもたらしていない。

2013年の「国連の薬物乱用防止デー」において、法の支配は一部の手段でしかなく、
罰することが解決策ではないという研究が進んでおり、健康への負担や囚役者を
減らすという目標に沿って、人権や公衆衛生、また科学に基づく予防と治療の
手段が必要とされ、このために2014年には高度な見直しを開始することに言及し、
「2016 年の国連特別総会」で、この機会を使用して加盟国にはあらゆる手段を考慮し、
開かれた議論を行うことを強く推奨した。

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そして、2016年4月に開催された「国連麻薬特別総会」では、「薬物関連条約の
柔軟な運用」、「薬事犯の比例量刑の原則」、「非拘禁的処置の推進」などが、
日本も含め採択された。

また、条約では「大麻の医学的利用・研究」は禁止されてない事が再確認された。

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国連とWHOは2017年6月27日『個人的薬物使用及び薬物所持』に
関する『刑法廃止』を求める共同声明を発表し、各加盟国に推奨した。

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【麻薬に関する単一条約は、科学的正当性がない】

WHOは、大麻に関して、今まで正式な審査がされた事がなく、資料も不十分であり、
決定的でない、と正式に認め、2018年6月4-8日に専門家会議を開催し、
国連条約における大麻規制レベル引き下げが審査された。

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その結果、最新の【WHO:薬物依存専門家委員会(ECDD)事前審査報告書】で、
『大麻の有用性と軽害性』が結論付けられた。

・大麻は比較的安全な薬であり、医学的有用性がある。

・大麻植物及び大麻樹脂は,スケジュールIV にある他の物質と同様の悪影響を生じやすいことを示唆しなかった。

・スケジュールIV に大麻と大麻樹脂を含めることは、スケジュールIV の基準と一致しない。

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2018年11月12〜16日まで開催されている第41回ECDDで最終評価(クリティカル・レビュー)
が行われ、WHOは国連条約における大麻規制レベル引き下げの勧告を行う。← 今ここ

国連における大麻規制レベル引き下げ最終決定は2019年3月に予定されている。