介護実習生、広島が最多39人 他職種で実績、受け入れ広がる
2018/11/10 09:38 中国新聞社
https://this.kiji.is/433788892972631137?c=65699763097731077

 介護分野でも外国人技能実習生を迎える技能実習法の施行から今月で1年。認定された介護実習生は、全国で332人(9月末時点)で、都道府県別では広島が最多の39人と分かった。広島は自動車産業や造船、カキ養殖など他職種の実習生数が全国2位の実績があり、介護でも受け入れが広がっているとみられる。

 国の資料によると、都道府県別の2位以下は、東京34人、愛知32人、神奈川26人、岩手18人と続く。中国地方は、山口8人(14位)、岡山・鳥取2人(26位)、島根0人(32位)だった。

 実習生の国別でみると、全国ではインドネシアが109人で最も多く、中国95人、カンボジア32人、モンゴル28人、ベトナム23人、スリランカ20人と東南アジアからの来日が目立つ。広島では約20施設が3カ国から迎えており、カンボジア20人、インドネシア13人、タイ6人となっている。

 広島で介護実習生が多い理由について、関係者らは「ノウハウと経験が豊富だから」と口をそろえる。県内の他職種の実習生は昨年10月末で1万3602人と、愛知に次いで2番目に多い。受け入れの窓口となる監理団体の数は約130に及び、突出している。

 一方で介護実習生の数は、広島を含め全国的に当初の見込みより少ないという。広島市のある監理団体の代表男性は「政府は他の職種で多いベトナムやフィリピンからの多数の来日を想定していたが、出足が鈍い」と話す。

 背景には日本語の壁がある。人と密に接する介護は、他の職種よりも高い日本語能力が求められる。入国時の要件が厳しい上、来日1年でさらに高いレベルの試験をクリアしないと帰国を迫られる。仕事と学習の両立は難しく、実習生の重い負担となる。外国人の担い手が、人材不足の介護業界の救い主になるのかどうか、まだ見通せない。