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ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。世界の富裕層が集まると言われるシンガポールですが、
富裕層の投資動向を調査分析するウェルスインサイト社によると、実際、2020年までにシンガポールは
スイスを抜いて、世界最大のオフショア金融センターになると予測されています。

そんなシンガポールでは、収入のほとんどを会社からの給料ではなく、配当収入から得ている富裕層が
たくさんいます。こうした富裕層が身近にいて感じるのは、彼らの荷物はつねに軽いということです。

富裕層はいつも「手ぶら」、普通の人は「パンパンバッグ」

日本では、「今から登山にでも行くの」というほど大きなリュックを背負ったビジネスパーソンをよく見掛けます。
バッグやリュックの中には、ノートパソコン、携帯の充電器、ノートや手帳に、飲みかけのペットボトルなど、
いろいろなものが雑然と入れられています。必要がなくても、あれやこれやと持ち歩かずにはいられない人が、意外なほど多いのです。

私も、子どもがまだ小さかったときは、同じような状態でした。ママバッグにオムツやミルク、着替えにゴミ袋と、
必要最小限の荷物を入れているつもりでも、バッグがパンパンでした。しかも、持ち物が多いとそちらに気を取られて、
逆に子どもの動きに不注意になるという悪循環に陥っていました。そのため、貴重品だけを超小型バッグに入れて、
残りはなくしてもいいバッグに入れていたものです。

実際、富裕層や成功者で、重そうなリュックやバッグを持ち歩いている人はほとんどいないでしょう。
彼らの多くは本当に必要なものしか、カバンの中に入れないからです。カバンすら持ち歩かず、
スマートフォンとキーケースだけの人も少なくありません。

また、赤ちゃんを連れた知り合いのママは、バッグの中身もお財布、携帯、キーケースだけでした。
用事を済ませたらすぐに帰るから、必要な物だけを持ち歩いているそうです。

毎日会社に通っているビジネスパーソンと、配当収入で生活している富裕層では、ライフスタイルの違いから、
どうしても持ち物に違いが出てしまうのは仕方がありません。ただ、たくさんの荷物を毎日持ち歩いている人は、
「その荷物は、はたして全部必要なものなのか」を考えてみてください。本来は持つ必要のないものまで持ち歩いているはずです。

近頃、ブランドバッグのトレンドは小型化傾向にあります。人気なのは横幅が19センチ以下のものだそうです。
それ以上小さくなると、携帯とキーケースくらいしか入りません。それでも、小型バッグは大人気なのです。

実は、私は中古品をよく売り買いしているのですが、セールで買った小型バッグが買い値よりも高く売れたことが数度あります。
高額な大型のバッグよりも高い値段がついたこともあり、驚きました。ではなぜ小型バッグがこんなに需要があるのでしょうか。

1つは、ファッション性です。身軽なほうがスタイリッシュで動きやすいからです。もう1つの理由は、ほとんどの人が本音では
不要なものをカバンに入れて持ち歩きたくないからです。

少し前に「ミニマリスト」という言葉がはやりましたが、必要最低限の上質な物に囲まれて生活する人が最近では増えています。
余計なものは所有せず、必要最低限のものだけを小さなバッグに入れて持ち歩く人が増えているのも、ミニマリストの影響かもしれません。

しかし、普段から大きめのバッグを使っていると、ついつい余計なものまで入れてしまいがちです。そのため、
あえて小さなバッグを選ぶ人が増えているようです。中身を厳選しなくてはいけないからです。確かに、究極はキーケースの中に
お札とカードを1枚忍ばせれば事足りるので、財布すら必要なくなります。


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