ノバルディスと元社員2審も無罪判決 論文不正
毎日新聞2018年11月19日 14時46分(最終更新 11月19日 14時46分)
https://mainichi.jp/articles/20181119/k00/00e/040/223000c

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン(商品名・ディオバン)」に関する論文不正事件を巡り、薬事法(現医薬品医療機器法)違反に問われた元社員、白橋伸雄被告(67)と法人としてのノ社に対する控訴審判決で、東京高裁(芦沢政治裁判長)は19日、いずれも無罪とした1審・東京地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。

 元社員は、京都府立医大の臨床研究でデータ解析を担当。バルサルタンに有利な結果が出るよう、虚偽に基づく論文を医師に発表させたとして、同法違反(虚偽広告)に問われていた。
 1審で検察側は元社員に懲役2年6月、ノ社に罰金400万円を求刑。地裁判決(2017年3月)は、元社員がノ社の業務でデータ改ざんしたと認定したが、発表させた論文については「購入意欲を喚起させる手段と言えず、『虚偽広告』に当たらない」として無罪を言い渡した。【蒔田備憲】