振り袖の販売・レンタル「はれのひ」(破産)の決算書を粉飾し銀行から金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた同社元社長篠崎洋一郎被告(56)の論告求刑公判が20日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)であり、検察側は懲役5年を求刑した。判決は12月19日。
 
はれのひは、今年1月8日の成人の日直前に横浜市などの店舗を閉鎖し、振り袖を着られない新成人が続出した。
 
検察側は論告で「会社の財政を示す重要な決算で虚偽内容を作成した」と指摘。弁護側は、成人式の顧客への思いがあったと情状酌量を訴え、執行猶予を求めた。
 
論告に先立つ被告人質問で篠崎被告は、業績不振で新規出店のための融資金を他の返済などに充当したと説明。「今年の成人式の顧客に支度をするまでは続けたいという自分の間違った思いで(経営を)進めた」と述べ、「晴れ着を着られなかった人には一生取り返しのつかないことをしてしまった。大変申し訳ない」と涙ながらに謝罪した。
 
起訴状などによると、篠崎被告は同社の2015年9月期の決算報告書で、実際は赤字なのに営業利益が出たと偽るなどして、横浜銀行と東日本銀行にそれぞれ融資を申請。両行から計約6500万円を詐取したとされる。

(2018/11/20-13:36)
時事ドットコム
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