現在、東京拘置所の単独室で過ごしているとみられる、カルロス・ゴーン容疑者。

高級住宅の購入に複数のペーパーカンパニーが関わっていたことが、FNNの取材で明らかになった。

衝撃の逮捕から4日目。

ゴーン容疑者は、22日も東京拘置所で取り調べを受けているものとみられている。

来日直後の19日に逮捕され、22日に会長職を解任される見通しのカルロス・ゴーン容疑者。

拘留中の東京拘置所は、高さ50メートルの12階建てで、刑事裁判の判決が確定しない未決拘禁者と、死刑囚が収容されている。

家族や弁護士が面会する入り口の向かいには喫茶店、さらには差し入れを販売する商店も並んでいる。

2018年6月に撮影が許可された、東京拘置所の内部。

複数の収容者が入る共同室は、畳敷きでトイレ、木のテーブルが設置されている。

一方、1人で入る単独室は、3畳ほどの広さ。

元刑務官・作家の坂本敏夫氏は、「(ゴーン容疑者は)単独室です、間違いなく。まだどちらかわからない身分だから、ほかの人とは一緒にしない。入る時の身体検査も含めて、今までやったことないような、経験のないような屈辱を味わったと思う」と話した。

午前7時起床で、消灯は午後9時。

また、拘置所の生活には、食事の面などに外国人向けの規則があるという。

坂本氏は、「食事が違う外国人は、特別な食事を出しなさいと。それがパンとサラダと卵料理とか、そういうふうに変える。1日の食事代も、日本人と外国人だと、外国人のほうが高くなっている。寝具についてもベッドを利用しなさいとか」と話した。

およそ50億円の報酬を隠した疑いで逮捕された、ゴーン容疑者。

FNNは、その豪勢な暮らしぶりのために、ペーパーカンパニーが使われていたことを新たに突き止めた。

8年前、日産自動車がオランダのアムステルダムに、およそ60億円を出資して設立した子会社「ジア・キャピタル」。

関係者によると、この子会社のさらに下に設立されたのが「ハムサ1」、「ハムサ2」という孫会社。

いずれもペーパーカンパニーとみられ、社長は、日産の外国人執行役員が務めている。

「ハムサ1」はブラジルのリオデジャネイロ、「ハムサ2」はレバノンのベイルートに、それぞれ高級住宅を購入していた。

ブラジルのリゾートビーチ、コパカバーナ。

世界屈指の有名リゾート、ブラジルのコパカバーナの高級住宅。

その相場を、地元の不動産会社に聞いてみると、「(住宅の広さは?)海に面した不動産物件は、150〜400平方メートルくらいになる。相場は、約533万ドル(約6億円)くらいだ」という。

2つの物件は、改修費用をあわせると、50億円になるとみられる。

こうした不動産の契約や資金の流れについては、ゴーン容疑者の指示のもと、側近のケリー容疑者が主導し、外国人の執行役員と日本人の幹部社員が実務にあたっていた。

また、ゴーン容疑者の姉にも不正な資金が流れていたとみられることがわかった。

日産は2002年以降、ゴーン容疑者の姉と実体のないアドバイザー業務契約を結び、毎年、日本円にしておよそ1,100万円前後を支払っていたことも関係者の話でわかった。

22日午後から始まった臨時取締役会では、ゴーン容疑者の会長職解任が提案され、可決される見通し。

今後の見通しだが、ゴーン容疑者が2015年までの有価証券取引報告書の不記載で逮捕されたのが、19日。

今後、2016年3月期以降の分など、別の時期の不記載でも再逮捕されるかどうかが最初のポイントになる。

しかし、この報告書不記載は、法律で決めた形式的規定に反する犯罪、いわゆる「形式犯」のため、検察が、業務上の横領や特別背任といったゴーン容疑者個人に関わるより、重大な罪で逮捕できるかどうか、これが最大のポイントになる。

また、処分が決まったところで、保釈の話にもなる。

その場合には、保釈保証金の額の問題になるが、過去における保釈保証金、最高額は牛肉偽装事件などで逮捕された浅田ハンナン元会長の20億円。

東京地検特捜部の元検事・高井康行弁護士は、「保釈金は当人の資産状況にもよるが、報告書不記載だけなら単なる形式犯だから、50億円の不記載とはいえ、5億円から10億円ではないか。ただし、横領や背任が加われば、当然、高くなる」と分析をしている。

2018年11月22日 木曜 午後6:51
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