中国、フィリピン両政府は21日、マニラでの前日の首脳会談結果を踏まえた共同声明を発表した。

両国が争う南シナ海の領有権問題の解決に当たっては、「武力に訴えず、武力で互いに威嚇しない」ことを明記。

両国の衝突を回避すると同時に、中国側には軍艦派遣を繰り返す米国をけん制する意図がある。

中国メディアが報じた声明によると、習近平国家主席とドゥテルテ大統領は会談で「南シナ海紛争は中比関係の全てではなく、他の分野での協力に影響を与えるべきではない」との認識で一致。

「直接関係がある主権国家の友好的な協議を通じ、平和的方法で紛争を処理する」と強調し、米国を念頭に当事国以外による干渉を拒んだ。

中国は、「域外国」の米国が南シナ海で「航行の自由作戦」と称して軍艦派遣を繰り返し、緊張を高めているとして作戦中止を求めている。

声明はまた、南シナ海の紛争防止に向けて中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が交渉中の「行動規範」について、「早期妥結に向け努力する」と表明。

習氏は20日の会談後の記者会見で、「行動規範の協議を3年以内に終わらせるよう努力する」と言及している。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018112101120&;g=int