欧州で家畜飼料からGMO由来の禁止添加物、100万トン以上に混入か 仏紙報道

家畜のブタ(2011年1月19日撮影、資料写真)。(c)ODD ANDERSEN / AFP
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AFP 2018年11月24日 12:37 発信地:パリ/フランス [ フランス オランダ ポーランド ヨーロッパ ]
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【11月24日 AFP】仏紙ルモンド(Le Monde)は23日、欧州で流通した大量の家畜飼料から使用が禁止されている遺伝子組み換え生物(GMO)由来のビタミン添加物が検出されたと報じた。100万トン以上の飼料に混入している恐れがあるという。

 ルモンドが引用したオランダ保健当局の文書によると、枯草菌(Bacillus subtilis)の遺伝子組み換え株から産生されたビタミンB2添加物「リボフラビン80%」8トンが、今年4月から6月までの期間にポーランド、イタリア、オランダで販売された。ルモンドはオランダ当局の話として汚染された飼料の流通量は80万?160万トンと推定されると伝えた。リボフラビン80%はウシ、ブタ、家禽の飼料に使われることで知られている。

 同紙はまた、今回問題とされたリボフラビン80%は中国企業「山東(Shandong)」が製造し、飼料世界大手「ニュートレコ(Nutreco)」傘下のオランダ企業「トゥローニュートリション(Trouw Nutrition)」が流通させたものだと報道。
ポーランドでは、すでに約2500キログラムが飼料に混ぜて使用されたと伝えた。

 欧州食品安全機関(EFSA)はリボフラビン80%には家畜と人へのリスクがあると指摘。これを受け、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会(European Commission)は2か月前、同製品の認可を取り消すとともに、11月10日までに販売を停止するよう命じていた。

 EFSAは、同製品には「人および家畜にとって重要」な抗生物質に耐性のある組み替え遺伝子が存在するため、「対象の生物種、消費者、使用者、環境へのリスクがある」としている。(c)AFP