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妊婦加算 ネット上でさまざまな意見
2018年11月26日 6時04分

ことし4月から妊娠している人が医療機関を受診すると、妊婦加算が上乗せされるようになりました。この妊婦加算、ネット上でもさまざまな意見が飛び交う議論になっていて、厚生労働省も加算の趣旨を説明するリーフレットを作って理解を求めています。

妊婦加算は診療報酬の改定でことし4月から始まり、すべての診療科で初診なら750円、再診なら380円を上乗せします。

自己負担が3割の場合、初診でおよそ230円、再診でおよそ110円になります。

加算を知った妊婦中の女性が「皮膚科に行ったら妊婦加算がついた、なんで余分にとられるの」とツイートしたところ、リツイートが相次いでネット上で話題になり、さまざまな意見が飛び交うようになりました。

「知らなかった」「事実上の妊婦税では」といった厳しい意見や、「コンタクトレンズの処方箋にも妊婦加算があった」「ここでは無理だから”産婦人科で相談して”と言われたが、診察料と妊婦加算をとられた」など、実際の経験をあげたツイートもありました。

一方、「妊娠中は出せない薬や気をつけることがある。その管理料と思えば損はしていない」といった意見もあり、今もさまざまな意見が投稿されています。

妊婦加算が話題になる中、厚生労働省は今月2日、「妊婦さんへの丁寧な診療を評価する加算です」などと書かれたリーフレットを作り、都道府県などを通じて妊婦加算への理解を進めようとしています。

妊婦加算とは

妊婦加算は去年10月、診療報酬を決める協議会で厚生労働省が提案し、導入が議論されました。

協議会では「妊婦へのきめ細かいケアへの評価を充実させる必要がある」という前向きな意見のほか、「妊婦へのどういう配慮を評価するのか、明確するべきだ」といった慎重な運用を求める意見も出ていて、最終的には「妊娠している人が安心して受診できる環境づくりのため」として導入が決まりました。

妊婦の診察には胎児への影響や流産などの危険を考えて、検査や薬の処方を、より慎重に判断する必要があり、厚生労働省は「丁寧な診察を高く評価するもの」としています。

加算は妊婦が外来を診察する場合、初診、再診を問わずすべての診療科で発生し、どういう配慮をしたら加算できるといった細かい決まりはありません。また妊娠していることが診察後にわかった場合は加算できません。

厚生労働省の担当者は「妊娠を配慮した診察や薬の処方を後押しする効果があり、安心して診察を受けられる体制を整えることにつながる。妊娠した人も気になることはしっかり医師に聞いて、不安を解消してほしい」と話しています。