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“親子といえども忍術書の内容などを漏らしてはならない”。

江戸時代の「忍者の誓約書」が今月、三重大学に預けられた資料の中から見つかり、研究者は「秘密を守る忍者の厳しい姿が伝わる貴重な資料だ」としています。

三重大学に預けられたのは「敬白天罰霊社起請文前書」(けいびゃく てんばつれいしゃ きしょうもんまえがき)という古文書で、三重県伊賀市の旧家に残されていました。

古文書を保存していた旧家は江戸時代、この地方を治めた大名の藤堂家に仕えた忍者の子孫にあたり、今月、三重大学と古文書を預ける契約を結びました。

三重大学国際忍者研究センターの高尾善希准教授によりますと、古文書は、およそ300年前、当時の木津伊之助という忍者が忍術を悪用しないことなどを師匠に誓った誓約書だということです。

高尾准教授によりますと、この中には「喩親子兄弟たりといふ共他見他言仕間敷候」(たとい おやこ きょうだいたりというとも たけんたごんつかまつる まじくそうろう)と書かれ、親子といえども忍術書の内容などを漏らしてはならないと厳しく戒めるなど、6つの約束が記されているということです。

そのうえで、もし誓約を破った場合には子孫の代まで神にたたられることになると強い言葉で警告する言葉も書かれているということです。

高尾准教授は「忍術を学ぶ江戸時代の忍者の姿がうかがえるだけでなく忍者の秘密を守る態度が非常に厳しく貫かれていたことがわかる貴重な資料だ」と話していました。

この子孫の家には、このほか、130点余りの古文書が残され、これらも三重大学に預けられたことから高尾准教授らは今後、解読を進めることにしています。

2018年11月27日 17時36分
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