ロシア国内では、北方領土の引き渡しに応じる環境が整っていると言いがたいのが実情だ。

 ロシアの独立系世論調査機関が11月30日に発表した北方領土問題に関する世論調査結果によると、日本への領土引き渡しを「支持する」が17%、「支持しない」が74%だった。日露関係を「良い」と答えたのは61%で、昨年12月より13ポイント上がった。対日感情は改善する一方、領土引き渡しへの反対世論が根強いことが浮き彫りになった。

 ウクライナ南部クリミア半島周辺で先月25日にロシアがウクライナ艦艇を拿捕だほした問題を巡り、欧米から批判を受けていることも、北方領土問題に影響するのは確実だ。プーチン氏はクリミア併合で求心力を高めてきた経緯があり、「領土問題に注目が集まる中、北方領土交渉で譲歩するのは難しい」(露専門家)との指摘もある。

2018年12月03日 08時14分
YOMIURI ONLINE
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