非人道的な兵器として知られるクラスター(集束)弾の製造企業に対し、2015年5月〜18年6月に米中などの金融機関など88社が計約90億ドル(約1兆円)の投資や融資をしていたことが3日分かった。国際非政府組織(NGO)のPAX(本部オランダ)が18年版の調査報告書を公表した。

 兵器産業への投資には国際的な批判が高まっており、17年版報告書と比べると、投融資額は約310億ドルから3分の1以下、投融資機関数も166社から約半数に激減した。

 報告書によると、集束弾の製造企業は中国、韓国、ブラジル、インド4カ国の7社。この7社に中国27社、韓国26社、米国21社など計88社が投融資を行っていたことを確認したとしている。日本企業は含まれていない。今年3月、全国銀行協会(全銀協)は資金使途にかかわらず集束弾製造企業への融資を実施しないよう申し合わせたと発表している。

 PAXでは投融資額の大幅な減少について、テキストロンなど米の軍需メーカー2社が集束弾製造を終了した影響も大きいとしている。また88社のうち、集束弾の開発、製造などを全面禁止する「オスロ条約」の加盟国に本社があるのは7社にとどまった。

 クラスター弾は1発の親爆弾が空中から多数の子爆弾をまき散らし、紛争後も不発弾の爆発による被害が絶えない。(共同)

12月3日 12時00分
https://mainichi.jp/articles/20181203/k00/00e/030/155000c