2018年12月4日火曜日
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「砂嵐」で視界不良となった山形村役場付近=今年4月

 東筑摩郡山形村が、畑の土が強い風に巻き上げられる「砂嵐」の発生を予測して村民に知らせる「注意報」を早ければ来年2月にも導入する方針を固めた。同村や周辺地域では毎年1〜5月ごろ、こうした砂嵐が発生している。民間気象予報会社に予測を委託する計画で、1〜2日前に村内の屋外スピーカーなどで砂嵐発生の有無の予報を伝える。

 村は7日開会の村議会定例会に委託費など計145万円を盛った本年度一般会計補正予算案を提出する。こうした砂嵐の発生予報について、長野地方気象台(長野市)は「把握する中で聞いたことがない」としている。

 松本地方南西部の土は火山灰土で粒が細かく、山形村では土壌に適した長芋などの根菜類の畑が多い。強風が吹き、乾燥しやすい年明けから春にかけて砂嵐が発生。視界が悪くなり、屋外に干した洗濯物に土ぼこりが付着するなど、住民が悩まされている。

 砂嵐発生は、過去数日間の降雨状況や風速などの観測データを基に委託先の総合気象計画(東京)が予測する計画。防災情報などを流す屋外スピーカーやケーブルテレビの音声放送機器を通じて知らせる。村ホームページでは発生の可能性を段階的に表示することを検討する。

 本庄利昭村長は「農家も住民も被害を最小限にする行動ができる。災害のように考える習慣が広まるといい」としている。

(12月4日)