夜の政治
 外国人労働者の受け入れを拡大する法案をめぐり、また、政府の資料が問題視されています。今度は「最低賃金以下」の労働をめぐり国会が紛糾しました。

 「質問に答えなさいよ。不適切なことを不適切と認めない。あなた、大臣自体が非常に不適切ですよ」(立憲民主党 小川敏夫参院議員)

 4日、問題となったのは、外国人技能実習生の厳しい労働実態です。これは、失踪した実習生をめぐる法務省の調査資料。野党側は、これを改めて確認したところ、7割近くの実習生が最低賃金を下回っていたと追及しました。

 「この紙の後ろには、本当につらい実態が含まれている。大臣、この個票どのぐらい読まれましたか」(立憲民主党 有田芳生参院議員)
 「全てというわけではございませんけれど、事務方から提示されたもの、これは目を通させていただきました」(山下貴司法相)

 野党側の集計によると、失踪した実習生「2870人」のうち、最低賃金以下で働かされていたのは「1927人」。法務省が「最低賃金以下」と認定したのは22人で、大きくかけ離れています。

 「技能実習生が新しい制度に全体では5割ぐらい移行する。そのことの総括抜きに、新しい制度なんてあり得ない」(立憲民主党 有田芳生参院議員)

 「議論の前提が崩れた」などと追及する野党側。これに対し、山下大臣は「新制度に基づいて人権保護を図っていきたい」と理解を求めました。

 「我々としても重く受け止めなければならないと考えています。新制度に基づいて、しっかりと人権保護を図っていきたいという思いでいることを、ぜひご理解賜りたい」(山下貴司法相)

 ただ法務省側は、野党側の指摘について、「聴取した内容をそのまま書き取ったもので、直ちに最低賃金以下と認定できるものではない」としています。

 一方、安倍総理はG20などの日程を終え、4日午後、帰国しました。与党側は国会会期末となる来週10日までの確実な法案成立を目指す方針ですが、野党側は内閣不信任案の提出も視野に徹底抗戦する構えです。まもなく国会は最大の山場を迎えます。(04日16:58)

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