高知県と大分県を結ぶ「宿毛フェリー」(高知県宿毛市)が、船の燃料価格の高騰を理由に、10月から運休している問題で、同社所有のフェリー「ニューあしずり」が燃料代不払いのため仮差し押さえされていることが30日までに、取引先の石油卸業者などへの取材で分かった。

 取引先の「寿燃料」(北九州市)によると、宿毛フェリーの不払い金額は約2000万円。1年半ほど前から、支払いが大きく滞り始め、6月に取引を打ち切ったという。同社は、福岡地裁小倉支部に申し立て、7月4日付でフェリーの仮差し押さえが認められた。9月26日には、支払いを求め同地裁に提訴したという。

 宿毛フェリーの松田美香代表取締役は28日、宿毛市を訪問。運休後初めて県や市の職員に今後の方針を説明した。松田氏は、運航を再開させる意向を示したが、日程などには具体的に言及しなかったという。市の担当者は「物流や観光の面でも市に影響が出ている。航路として存続してほしい」と話した。

 宿毛フェリーは、高知県と県外を結ぶ県内唯一のフェリー定期航路。船に使う燃料費が高騰したとして、先月19日から全便運航を休止し、操航に関わる海上社員15人を全員解雇した。

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