外国人労働者の受け入れが広がる「出入国管理法」改正案が成立する。人手不足の農家から歓迎の声が上がる一方、すでに「労働力」として扱われている技能実習制度では、低賃金や失踪などの問題が解決されないままだ。支援者は「技能実習生の二の舞いになる」と懸念する。

 八ケ岳を望む長野県川上村。レタスの収穫シーズンになると、人口約4千人の村で働く外国人技能実習生は約1千人にもなる。

 今年の夏、少なくとも22人のカンボジア人実習生が村から姿を消した。失踪した1人が働いていたレタス農家の40代の男性は「人手不足が補えるならありがたい」と法改正に賛成だ。

 日本人を雇おうと時給1千〜1500円を掲げるが、応募は少ない。これまで10年以上、実習生を受け入れてきた。失踪は4度目だ。知人に紹介を依頼したが、やってきたのは、別の場所から失踪した不法滞在のベトナム人だった。「失踪覚悟で外国人を雇っている。もうそれしかすべがない」

 村では4年前、中国人実習生を劣悪な環境で働かせたとして、日本弁護士連合会から改善を勧告された。それ以来、環境整備に取り組んできたという。

 畑から逃げ出した先が、必ずしも恵まれているわけではないようだ。

 10月、失踪したカンボジア人…

朝日新聞 2018年12月8日8時51分
https://www.asahi.com/sp/articles/ASLD75GBZLD7UTIL033.html