https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-12/PJLU8D6JTSE801?srnd=cojp-v2

メイ党首辞任で英首相交代か、下院で不信任なら総選挙も

Robert Hutton
2018年12月12日 14:06 JST
→不信任なら党首を辞任し、後任を選ぶ党首選にも立候補できない
→下院で不信任の場合、議会は14日以内に信任が得られる政権探す必要

欧州連合(EU)が正式決定したものの、国内で各方面から反対が噴出する離脱合意案を巡り、メイ英首相への2つの信任投票が行われる可能性が出てきた。与党保守党議員による不信任投票は、メイ氏の排除と党首交代につながりかねない。一方、最大野党である労働党がメイ政権の在り方を問い、下院で信任投票実施を求めることもあり得る。

保守党の不信任投票

・保守党の下院議員の15%に相当する48人が書簡で要求すれば、手続きが開始される
・下院議員で構成する保守党議員委員会(1922年委員会)のブレイディ委員長宛てに書簡は送られ、非公開にできる。同委員長だけが集まった書簡の数を把握する
・必要な数に達した時点でメイ首相に伝え、その後発表する
・不信任投票は保守党の下院議員だけが参加する無記名投票で行われ、数日以内に実施が可能
・メイ首相が過半数に信任されれば、今後1年間はそのような投票は行われない
・逆に過半数が不信任なら党首を辞任する必要があり、後任を選ぶ党首選にも立候補できない
・メイ氏は後任が選出されるまで首相にとどまる可能性が高い

メイ政権への信任投票

・最大野党・労働党のコービン党首から信任投票の求めがあれば政府は応じざるを得ない
・審議を経て公開で投票が行われる見通しで、全ての下院議員が参加できる
・不信任の場合、議会は14日以内に信任が得られる政権の可能性を探る必要
・メイ首相は必ずしも辞める必要はなく、信任しなかった議員らに働き掛ける多数派工作が可能
・失敗に終われば下院は解散され、総選挙が実施される