とんかつ好きの間にその名をとどろかす、「とんかつ とんき 目黒本店」。開店時間の16時前から、店の前には客がずらりと列をなします。

このお店は職人さんの完全分業制と、今では珍しい10年の下積み修行の伝統を守り続けているということでも有名なんです。



大きなのれんをくぐって店内に入ると、目に飛び込んでくるのは、まぶしいほどに磨かれた白木のカウンター。その内側にはかなりの広さを持つ厨房があり、8人の職人が入れ替わり立ち替わりしながら、テキパキと動き回っています。


目が合った職人がニコリとして注文を聞いてくれたので、ロースカツ定食を頼んで席につきました。目の前の厨房はまるでステージで、客席は観客席のよう。

厨房の左側に立つ職人は、分厚い肉に小麦粉と卵を三度漬けし、ラードで満たされた5つの釜へ次々と投入していきます。160度の油でじっくり揚げること約20分。「頃合い」を測るのはタイマーではなく、音や匂いとのこと。黄金色になったカツを引き上げると、すばやく包丁でタテヨコに切り分けていきます。


その後キャベツやトマトの乗った皿に盛り付け、ご飯や豚汁と共に客席へ。数々の職人の手を経た定食がようやく自分の前に置かれた瞬間は、喜びもひとしおです。

きめ細かなパン粉が、分厚い肉をみっしりと包み込んだロースカツ。一口サイズに切られたカツを口に入れると、衣はサクッと軽やか。肉質は弾力があって柔らかく、脂が全体的に回って、しっとりしています。


(略)
──「気持ちの基礎」。



たとえば掃除にしたって、1日サボれば1日分汚れるでしょう? でもその遅れを翌日取り返すことは難しいんですよ。それって自分の店を持つ上で、基本的なことで。それは接客も料理もある意味では同じ。いっけん当たり前に見えることを愚直に繰り返した上で、新たなステージに行くわけです。

うちは10年働くと正式に暖簾分けということを認めています。ただそれは10年くらいうちで働いて欲しいという気持ちもあるので、必ずしも10年経たないと一人前ではないという考えではない。何事もコツをつかむことが大切で、そのためには主体的に学んでいく姿勢が大事なんだと思います。

「自分のところは終わったので、こっちもやらせてください!」という気概がある子にはどんどん新しいことをやってもらいますし、うちでも、3年くらいでコツを掴んで独立し、別の店名を掲げて成功している職人もいますよ。


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