ベトナムで終戦を迎え、その後も現地に残った「残留日本兵」の子どもや孫たちが、
日本とベトナムの懸け橋になろうと、家族会を設立することになり、発足式が行われました。

ベトナムには、太平洋戦争が終わったあとも現地に残ってフランスとの独立戦争に加わるなどした「残留日本兵」がかつていて、
家族会は、その子どもや孫などおよそ30人で発足しました。

15日、首都ハノイで行われた発足式で梅田邦夫大使は
「各地から孫の世代まで参加してもらい、大変うれしく思います。これからも日本との絆を大切にしてください」とあいさつしました。

残留日本兵の多くは現地で結婚し、家庭を築きましたが、1950年代に政治状況が変化する中で
単身での帰国を余儀なくされ、多くの家族が生き別れになりました。

ベトナムに残った家族は経済的に苦しく、差別を受けるなど厳しい生活を送ってきましたが、
去年、天皇皇后両陛下との面会が実現したのに続いて、去年10月には子ども13人が初めて日本を訪れ、長年の願いだった父親の墓参りを果たしました。

残留日本兵の子どもは60代、70代と高齢になっていますが、家族会をつくることで、
交流を孫の世代にも広げていきたいとしています。

祖父が残留日本兵で、大学3年生のレー・ホン・ロンさんは、
「今回、ほかの家族の話を聞いてとても感動しました。若い世代として、両国の懸け橋となれるよう頑張りたいです」と話していました。

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NHK NEWS WEB 2018年12月15日 18時26分
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