人気の秘密はリピート率の高さか―。「長野県民手帳」を発行する県統計協会(長野市)が2018年版の購入者に行ったアンケートで、77%が「毎年購入している」と答えたことが15日、協会のまとめで分かった。「以前購入したことがある」と回答した人も11%おり、全国41県にある県民手帳のうち、最大発行部数を誇る長野県民手帳の人気の背景をうかがわせている。

 協会によると18年版長野県民手帳は6万5千部を発行し、このうち約5万5千部が売れた。販売時にアンケートはがきを添付したところ、4046人から郵送で回答があった。

 結果によると「毎年購入している」「以前購入したことがある」が計88%に上った一方、「初めて購入した」は12%。購入者全体のうち78%を男性が占めた。年代別で見ると60代が31%で最も多く、70代が27%、50代が15%、80代が12%で続いた。

 長く愛用される理由は何か。東筑摩郡麻績村の飯沼三徳さん(82)は県職員だった1962(昭和37)年からほぼ毎年使い続けており、「市町村ごとの人口など統計情報が充実していて便利」。上水内郡信濃町の高橋賢一さん(67)は定年退職した7年前、県外から約40年ぶりにUターンして以来の愛用者だ。「行政機関の連絡先が一覧でき、地域情報も充実している」と話す。

 高齢層の人気を受け、協会は18年版で、統計資料の一部の文字を「小さくても見えやすいよう」明朝体からゴシック体に変更。19年版では女性や若年層への浸透を図ろうと、カバー色は信州の空をイメージしたネイビー(5万部)のほか、桜やアンズなどを連想させる明るいピンク色(1万5千部)も作った。

 19年版長野県民手帳は1冊500円(税込み)。県内の書店やコンビニエンスストア、県庁などで購入できる。

(12月16日) 信毎Web
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