2018年12月17日 15:28

日立製作所は17日、電気を発電所から企業や家庭に届ける送配電など電力システム事業を、世界最大手のスイスABBから買収すると正式発表した。買収額は約7000億円で、日立が手掛けるM&A(合併・買収)として過去最大となる。世界の電力事業の環境は大きく変化しており、買収を通じて電力システム事業で海外展開を急ぐ。

ABBは産業用電機の世界最大手で、電力部門では制御システムといった送配電設備の製造や運営を世界で手掛けている。日立はABBの電力システム事業の買収で世界首位に躍り出る。

電力システム事業は電力会社などから発注を受けて変電所を建てたり、電線を敷設したりする。設備運営を受託し、停電を防ぐために電力網全体の需要と供給を調整する役割を担う。

買収に向けてABBがまず当該事業を分社化し、2020年前半までに日立が約8割を出資する。この時点の買収金額は約7000億円となる。その後完全子会社化を目指す。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO39033740X11C18A2000000