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英労働党、メイ首相に対する不信任案を提出
2018/12/18 5時間前

英最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は17日夜(日本時間18日未明)、テリーザ・メイ首相に対する不信任決議案を下院に提出した。メイ首相が欧州連合(EU)離脱協定をめぐる下院採決を1月14日の週まで延期すると発表したことに反発したもの。

ブレグジット(イギリスのEU離脱)協定の採決は11日に行われる予定だったが、否決の見通しとなり、メイ首相はこれを延期していた。

一方、首相官邸はBBCの取材に対し、政府は不信任投票のための時間を作らない方針だと話している。内閣は「くだらない政治ゲームには付き合わない」方針だという。

コービン党首は17日の議会で、採決を1カ月待つことは受け入れられず、首相は英国を「国家の危機」に陥れたと批判した。

コービン党首は、離脱協定について「ただちに下院に有意義な投票をさせなかったのは過ちだ。このため、我々は首相を信任しない」という宣言を求め、議員に呼びかけた。
この不信任案はメイ首相個人に対するもので、内閣全体に対してではない。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長によると、不信任案提出はメイ氏にとって恥ずかしい事態ではあるものの、現状では内閣は審議時間を与えない見通し。
クンスバーグ編集長は、首相官邸は現在、「労働党が内閣全体への不信任案を提出するだけの度胸があるか、ボールを打ち返して様子を見ている」ところだと説明した。

内閣不信任案の場合、可決されれば解散総選挙となる可能性がある。
スコットランド国民党(SNP)、自由民主党、ウェールズの政党プライド・カムリ、緑の党といった野党勢力は、これを目指してコービン氏の動議を修正しようとしている。

しかしコービン氏は、今回の首相不信任案は、離脱協定採決を今週中に実現させるための圧力だと話している。
メイ氏の離脱協定は、2019年3月29日のブレグジットの条件を記したもので、イギリスとEUの将来の関係を示す政治宣言も含まれている。

英政府とEUはすでにこの協定に合意しているが、施行されるにはイギリス議会の承認が必要。