■ガソリンスタンドで「売上1億円超」
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 七宗町で、ふるさと納税ブームに沸いたのは衣料品店だけではありませんでした。

(記者リポート)
「普通のガソリンスタンドなんですが、店先に段ボールが山積みになっています。忙しそうに作業をしている様子がうかがえます」

 ガソリンスタンドに積み上げられた段ボール箱。給油に来る車はほとんど見られませんが、荷物の周りでは男性が忙しそうに作業しています。

 これも、ふるさと納税のお礼の品。ポータルサイトで確認すると、このガソリンスタンドでは、ゴルフ用品やキャンプ用品などをお礼の品として提供しています。

 カメラでの取材はできませんでしたが、経営者の男性に話を聞くことができました。

 衣料品店と同じように、役場からの呼びかけに応じて「ふるさと納税」に参加。タイヤメーカーのグループ会社が扱うゴルフボールを仕入れたのを始まりに、徐々に扱う商品を増やしたそうです。

 男性はお礼の品を発送するための作業は連日深夜まで続き、「売り上げは1億円を超える」と明かしました。
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■七宗町でいま人気のお礼の品 おなじみのあの「ルーペ」

 七宗町が昨年度集めた寄付は約18億円。お礼の品を3割とすると、5億円以上が地元の業者の売り上げになった計算になる。

 地場産品「完全無視」で呼び込んだこの「ふるさと納税フィーバー」。果たして、アリと言えるのか?

七宗町役場の担当者:
「そもそも地場産品という話がでてきたのが去年あたりやと思うんですけど、町内すべての事業者さんに協力できたらという考えもありまして、ガソリンスタンドさんとか金物屋さんとか、本来だとふるさと納税らしいものがない事業者さんでも、お店で実際売っているものを返礼品として出してもらうとさせていただいていました」

 七宗町はこれまで、町内のより多くの業者に恩恵がいきわたるよう、店舗で扱うものなら、なんでもお礼の品として採用してきたと説明。

 たとえば、最近の「ヒット返礼品」は、CMでもおなじみの『ハズキルーペ』。

七宗町役場の担当者:
「706件ですね、ハズキルーペ。町内の事業者さんが706個ハズキルーペを売ろうとしたら並大抵なことではないと思います」

 すでに706件の申し込み。3万円の寄付でもらえ、人気なのが「ハズキルーペ」です。

「メイドインジャパン」がウリですが、七宗町に工場があるわけではありません。

七宗町役場の担当者:
「一番見直す対象になると思います。明らかに地場産品じゃないので…」

■「地場産」でないお礼の品が7割 年内で取り扱い終了へ

 七宗町は国の方針を受けて、これまでのお礼の品のおよそ7割が「地場産品」でなかったと認め、年内で扱いをやめる予定です。

七宗町役場の担当者:
「これだけ小さい町に全国の方から寄付があるのは、本当はありえない話なので。それぞれの事業者さんの利益もあがったんじゃないかと。ふるさと納税自体があくまで寄付であり、商売ではないわけですね。ですから、いつなくなってもおかしくない前提で動いてくださいと事業者さんには伝えています」

 過熱する「ふるさと納税」…今後、返礼品3割、地場産品の縛りが厳しくなり、これらの市町村はどうなっていくのでしょうか?改めてふるさと納税の制度の趣旨を国民全体が理解し、あるべき姿を問い直すべき時がきているのかもしれません。

12/21(金) 6:20
東海テレビ
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