2018年12月22日 11時34分
 熊本県北部の県立高3年の女子生徒(当時17歳)が学校でのいじめをほのめかす内容の遺書を残して5月に自殺した問題で、県教委の第三者委員会(会長=岩永靖・九州ルーテル学院大准教授)は20日、複数の同級生から「死ねばいい」などの発言があったとする中間報告を公表した。第三者委はいじめに当たるかや自殺との因果関係を調べ、今年度中に最終報告書をまとめる。

 第三者委は6月以降、教職員らへの聞き取りや、全校生徒約300人を対象にしたアンケートを行うなどし、調査してきた。

 中間報告書によると、5月17日午前の授業中、複数の同級生が「死ねばいい」「視界から消えてほしい」「よく学校来れるね」といった発言をした。その後、女子生徒は体調不良を訴えて早退。自宅で自殺を図り、同18日に亡くなった。

 第三者委は、発言が女子生徒に向けられたものかを確認できていないという。

 女子生徒の両親によると、遺書には「死ねばいい」などの暴言を受けたという記述や「もう死にたい」という心情が記されていたという。中間報告後、県庁で記者会見した母親は「事実がわかってきた。娘がどんな思いで、何に傷ついたのか知りたい」と語った。

 第三者委を巡っては、委員6人中3人が体調不良などを理由に辞任するなどし、別の委員に交代した。宮尾千加子教育長は「審議に影響はなかったと聞いている」と述べた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181222-OYT1T50040.html