2018年12月28日 13時12分
 文部科学省事業を巡る汚職事件に絡み、文科省は28日、受託収賄罪で起訴された同省前局長の佐野太被告(59)の親族ら3人が、関係者以外入れない鹿児島県・種子島宇宙センター敷地内でH2Bロケットの打ち上げを見学していたと発表した。文科省の職員が佐野被告の依頼を受けて便宜を図っており、文科省の調査チームは「公私混同や行政の公正さが疑われる事態を招き、問題だ」としている。

 発表によると、ロケット打ち上げの見学は2015年8月で、佐野被告の親族のほか、事件に関与した元会社役員・谷口浩司被告(47)(贈賄罪などで起訴)と谷口被告の親族が参加していた。

 文科省や宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は、宇宙関連業務に関係する者だけ、センター敷地内での見学を認めているが、文科省の担当課職員が佐野被告の依頼を受け、3人の見学をJAXA側に申し込んでいた。そのほかに、文科省やJAXA側から親族らへの金銭提供などはなかったという。

(ここまで413文字 / 残り146文字)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181228-OYT1T50048.html