女性のナマハゲ、実現せず 抵抗強く、雰囲気を察し辞退 野城千穂 2018年12月31日20時48分

【動画】ナマハゲに泣き叫ぶ子どもも=野城千穂撮影

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産になった秋田県男鹿市の「男鹿のナマハゲ」が
大みそかの12月31日夜、約80地区であった。

 ナマハゲのなり手は男性に限られてきたが、男鹿半島南部の羽立(はだち)駅前地区で昨年、
市地域おこし協力隊の女性にナマハゲをやってもらわないか、という声が上がった。
 だが、慣習を変えることへの抵抗は強く、着つけなどの手伝いにとどまった。

 兵庫県明石市出身の大谷心(こころ)さん(24)はナマハゲにひかれ、2017年に男鹿市に移住。

 羽立駅前地区のナマハゲのデザインを頼まれ、制作にも参加。
 ナマハゲにのめり込む姿を見た地区の一部の人が「大谷さんにナマハゲをやってもらわないか」と提案した。

 しかし、「女性のナマハゲは、見たことがない」と賛同が広がらなかった。
 大谷さんはその雰囲気を察し、受け入れた。

 31日は大谷さんはなり手の男性に「ケデ」と呼ばれる衣装を着せ、ナマハゲの後について集落の家々を訪ねた。
 ナマハゲたちが「ウォー、いい子にしでるがー」と叫び、座敷でもてなされる姿を見守った。

 ナマハゲ行事では、女性が面を…

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https://www.asahi.com/articles/ASLDV3RW5LDVUBUB006.html
ナマハゲの準備を手伝う大谷心さん=2018年12月31日午後5時8分、秋田県男鹿市、福留庸友撮影
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20181231001560_comm.jpg