2019年1月1日午前0時すぎ、指定暴力団山口組(神戸市灘区)の篠田建市(通称・司忍)組長が、総本部近くの兵庫県神戸護国神社へ初詣に訪れ、参拝客でにぎわう境内では、兵庫県警の捜査員数十人が警戒や情報収集に当たった。同じく指定暴力団の神戸山口組(同市中央区)、任侠山口組(尼崎市)との三つどもえの緊張状態が続く中、厳戒の年明けとなった。

 篠田組長は神社そばまで車で乗り付け、組幹部らを連れて参拝し、数分で神社を後にした。神戸山口組もほぼ同時刻、18年12月に官報で告示された新本部で年越しの会合を開いた。いずれも目立ったトラブルはなかった。

 山口組は15年に神戸山口組と分裂。17年には同組の内紛から、複数の幹部が任侠山口組を結成した。

 同年9月には神戸市長田区にある任侠山口組代表宅近くで組員の射殺事件が発生。警察庁は、殺人などの疑いで神戸山口組系組員の菱川龍己容疑者を指名手配している。射殺現場近くでは18年10月にも同組系組員による発砲事件があった。

 分裂に伴う事件が全国で相次ぐ一方、山口組が総本部で催すハロウィーン行事には近年、大勢の子ども連れが訪れており、地域ぐるみの暴力団排除は大きな課題となっている。

 19年秋には山口組ナンバー2の高山清司若頭=恐喝罪で服役中=が出所を予定。県警捜査員は「神戸、任侠ともに出所を警戒し、緊張が高まっている」と指摘し、情勢の変化や組員同士の衝突に警戒を強める。

1/1(火) 0:51
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