全日空グループの「ANAウイングス」で3日、40歳代の男性機長からアルコールが検出された問題で、全日空は8日、機長が飲酒時間や飲酒量について会社に虚偽の説明をしていたと発表した。実際はいずれも社内規定に違反しており、飲酒の場に同席した副操縦士とうその内容で口裏を合わせていたという。会社側は2人の処分を検討している。

 全日空によると、機長は3日朝、大阪(伊丹)空港での乗務前の呼気検査でアルコールが検出され、乗員交代などのため国内線5便が遅延した。

 同社は規定で、飲酒量の上限を「2単位」(1単位はハイボール300ミリ・リットル程度)とした上で、乗務開始12時間以内の飲酒を禁じている。機長は当初、「前夜にホテルの自室で副操縦士とハイボールを2缶飲んだ。乗務の12時間前までに飲み終えた」と述べ、同じ便に乗る予定だった副操縦士も同様の話をしていた。

 だが、説明内容に疑問を持った会社が追及したところ、機長は大阪市内の居酒屋で乗務約10時間前までハイボールやビールなど計4杯を飲んでいたことを告白したという。

 機長は規定違反の飲酒について「仕事の話で盛り上がってしまった」と釈明。処分が重くなることを恐れてうそをついたり、口裏合わせを求めたりしたとみられ、同社はさらに詳しく調べている。

 ANAウイングスでは昨年10月にも、男性機長(諭旨退職)が飲酒の影響で国内線を遅延させ、同12月に国土交通省から厳重注意を受けたばかりだった。全日空は「大変重く受け止めている」とコメントした。

2019年01月08日 20時41分
YOMIURI ONLINE
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