LIXIL子会社のLIXIL鈴木シャッター(東京・豊島)は11日、社員13人が国家資格「防火設備検査員」を不正に取得していたと発表した。社員らは資格に必要な実務経験年数を偽って申告しており、上司8人が不正を指示していたという。同社は「物件が多くて忙しく、資格者を増やしたかった」と説明している。

不正な資格で検査したのは計21物件68棟(東京都66棟、千葉と長野が各1棟)。内訳は学校47棟、病院4棟などで、同社は正規の検査員が再点検するとしている。

国土交通省によると、検査員は建築基準法が義務づける防火設備の原則年1度の定期検査を担う。取得には実務経験7年以上などの条件を満たすか、3年以上で取得できる「防火シャッター・ドア保守点検専門技術者」の資格が必要になる。

IXIL鈴木シャッターによると、実際は1カ月〜2年1カ月しか実務経験がないのに、社員29人が不正に申告して専門技術者の資格を取得し、うち13人が検査員の資格を取得した。

国交省は13人に資格者証の返納を要求。専門技術者の資格を運営する日本シャッター・ドア協会に対し、ほかに不正取得がないか調査し報告するよう求めた。
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