2019年1月13日 14時26分
朝日新聞デジタル

 選挙の風景の一つといえば、掲示板に並ぶ候補者の顔。

 しかし、人口900人弱の長野県根羽村の村長選と村議選にはポスターの掲示場がない。候補者も有権者も顔見知りが多いからだ。そんな小さな村が昨年末、4月の統一地方選に向けて掲示場を設置するための条例をつくった。後押ししたのは村外からのIターン組。県選管などによると、県内77市町村で掲示場の条例がないのは根羽村だけだった。

 公職選挙法は、国政選挙や知事選のポスター掲示場を設けることを義務付けているが、県議選や市町村選挙は各自治体に判断を委ねている。設置する場合は条例で定めることになっている。

 根羽村の場合、候補者も投票者も大半が顔見知りということもあり、掲示場は必要ないという風潮があった。そんな状況に異を唱えたのがIターンした住民や一部の村議だったという。条例作りに携わった村の幹部は「候補者だけでなく、有権者にとっても有益になると考えた」と説明する一方、「これまでやるべきことをやっていなかったとも言えます」。

 村長選と村議選の掲示場は最大40カ所の予定だ。(津田六平)
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/15867125/