2019年1月21日 18時55分
イスラエル軍は隣国シリア国内に展開するイランの部隊を攻撃するためとして、大規模な空爆を行い、これまでにシリア軍の兵士ら10人以上が死亡しました。双方による攻撃の応酬はいったんは収まっていますが、空爆を受けたシリアとイラン側がイスラエルに反撃した場合、衝突が再燃することが懸念されます。

イスラエル軍は21日未明、隣国シリア国内に展開し、敵対関係にあるイランの精鋭部隊の武器庫や訓練施設、それにシリア軍の防空システムの拠点など、合わせて10か所以上を空爆したと映像とともに発表しました。

攻撃の理由について、イスラエルは、前日のイスラエルによる空爆への反撃として、シリア国内にいるイランの部隊がイスラエル側にミサイル1発を発射したことへの報復だとしています。

これに対して、シリア国営通信は「イスラエル軍の波状攻撃に対してわがシリア軍が迎撃し、被害を防ぐことができた」として空爆による被害はないとしていますが、シリアの複数のメディアはシリア軍の兵士4人を含む10人以上が死亡したと伝えています。

双方による攻撃の応酬はいったんは収まっていますが、空爆を受けたシリアとイラン側がイスラエルに対して何らかの反撃に出た場合、衝突が再燃することが懸念されます。

イラン「戦う準備できている」
敵対するイスラエル軍による空爆について、イラン軍のナセルザデ司令官は「イスラエルと戦い、地球上から消し去る準備ができている」と述べ、強い表現でイスラエルへの報復を示唆しました。

シリア内戦でアサド政権を支援したイランは、今もシリア国内に精鋭部隊の革命防衛隊を展開して、軍事顧問の派遣や武器や装備品の支援を行っていて軍事的な関与を続けています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190121/k10011785631000.html
https://www3r.nhk.or.jp/news/r/html/20190121/K10011785631_1901211849_1901211855_01_02.jpg