【ニューヨーク=西邨紘子】米最高裁は22日、トランプ大統領が指示したトランスジェンダー(出生時の性と自身が認識する性が一致しない人)の米軍入隊を禁止する措置を当面有効とする判断を下した。裁判所の最終判断があるまでの措置としている。
審理で最終的な決定があるまでトランプ大統領の入隊禁止の指示を無効とした連邦地裁の決定を覆すものになる。

トランスジェンダーに関しては、2016年にオバマ前政権が米軍入隊規制の撤廃方針を発表。18年からトランスジェンダーを公にして入隊したり、性転換に伴う医療費に米軍の保険が使えたりするようになった。

トランプ大統領は17年、医療コストの負担増や現場の混乱などを理由にトランスジェンダーの入隊許可を撤回するよう米国防総省に指示。
これを不服とし、トランスジェンダーの米兵らがトランプ大統領に対し訴訟を起こしていた。

同決定では最高裁判事で保守派とされる5人の判事が賛成、リベラル派4人が反対票を投じた。保守派判事のうち2人はトランプ大統領の指名で就任している。


トランスジェンダーの入隊禁止、米最高裁が支持
2019年1月23日 9:12 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40349680T20C19A1000000/