1/23(水) 8:33配信
Web東奥

 2019年産の青森県産米「青天の霹靂(へきれき)」の作付面積が1566ヘクタールにとどまり、卸売業者などの需要量を満たすために必要な面積2138ヘクタールの約7割となる見通しであることが22日、分かった。天候不順による18年産の収量の落ち込みを受け、他の品種に切り替える生産者が出たことが要因。作付け減少によって霹靂が不足となった分の販路を他産地の銘柄に奪われかねず、ブランド力の低下が危惧される。

 県や農業団体などでつくる「青天の霹靂」ブランド化推進協議会が生産者からの申請に基づき、19年産の作付け動向を集計した。生産者数は708戸。

 18年産との比較では作付面積は323ヘクタール減、生産者数は135戸減。県や農協が昨年11月ごろから農家に作付けの積み増しを働き掛けたが、減少を食い止めることができなかった。

 19年産の作付面積1566ヘクタールに平年並みの10アール当たり収量を掛けて推計すると、生産量は約7500トンとなる見通し。需要量約1万トンを2500トンほど下回っている。

 コメは一般的に収量を増やそうと肥料を与えすぎると食味が落ちるとされる。霹靂は食味を重視するために収量の目標が他の品種より低く設定されている。このため、目標よりさらに収量が低下すると収入面での影響が大きい。農業関係者によると、農家が18年産の収量落ち込みを受け「まっしぐら」などを作付けして収量を多くした方が得策と判断したという。

 また、生産調整で主食用米の生産が減少、まっしぐらなど安価なコメが値上がりしてブランド米との価格差が縮まったことも、生産者の霹靂離れにつながっているとみられる。

 近年は全国でブランド米が次々と登場。今後、生産量が増えてくるとみられることから「販路は一度失ってしまうと取り戻すのは簡単ではない」(全農県本部)。20年産以降で作付面積の減少に歯止めをかけるには、技術対策などを徹底して19年産の収量を安定させ、農家の不安を取り除くことが求められる。県農産園芸課の山内一肇課長は「天候不順で生育が悪くても一定の収量を確保できるような栽培技術を確立し、作付面積を復活させていきたい」と語る。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190123-00000005-webtoo-l02
https://toonippo.ismcdn.jp/mwimgs/5/2/640m/img_523ae52ee7db9291ebd1624e1b790cd9103310.jpg