平成最後の春、昭和の残り香に触れてみませんか――。「激動の昭和」を彩った家電やおもちゃなどを集めた企画展「昭和のくらし・昔のくらし13」が、神戸市西区の市埋蔵文化財センターで開かれている。約500点が並ぶ会場を訪れ、現代から見ると不思議なたたずまいの文物を見つめてみた。3月3日まで。

 まずは金属のボールのように見える銀色の機械。手動の洗濯機だ。形は、旧ソ連が開発した世界初の人工衛星「スプートニク1号」に似せているという。多くの人が宇宙時代に夢をはせながら、お湯と洗濯物を入れてレバーを回したことだろう。1957年に発売され大ヒットした。だが、電気洗濯機の普及により、6年後に製造中止となった。

 ただのガラス容器と見えるものもある。ハエ取り器だ。餌でハエを引き寄せ、容器に満たした水の中に次々落としていく仕掛け。ハエが集まったタイミングを見計らって、畳を勢いよくたたくのがプロの流儀だったらしい。夏場など、さぞ「大漁」だっただろう。企画展担当の学芸員、阿部功さん(49)にそう話しかけると「あまり想像したくないですね……」と苦笑い。

 天井からつり下げて使う「ハエ取り紙」も。ハエだけでなく髪が絡まるトラブルもしばしばだったといい、人類とハエのあくなき戦いの歴史をしのばせる。

 マッサージ器のような物体は「携帯トランジスタラジオ」(1970年ごろ)。通常時はドーナツ形。ひねるとS字形になり、ダイヤルを合わせると側面のスピーカーから音が流れた。使い勝手がどうだったかはさておき、はやりの流線形を意識したかのようなデザインは挑戦的だ。

 メンコやおはじきの前身となっ…

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2019年1月27日11時44分
https://www.asahi.com/articles/ASM1Q3RD9M1QPIHB009.html

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