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2015/09/30

大阪湾の関西空港周辺で、希少なイルカの一種、スナメリが繁殖している可能性が高いことが、神戸市立須磨海浜水族園と朝日新聞、朝日放送の共同調査で分かった。
ヘリによる調査で、最大で20頭以上の群れや、体長約1メートルの子どもを確認した。専門家によると、こうした群れを確認できた例は珍しいという。

 スナメリは、小型イルカの仲間で、成体の体長は約1・5〜2メートル。ペルシャ湾から日本沿岸にかけて分布する。
大阪湾でも、100年以上前に漁師が生け捕りにした記録が残るが、水質汚濁や埋め立てで減少した。
水産資源保護法でシロナガスクジラなどと並び捕獲が原則禁じられている。

 調査は9月上旬、朝日新聞社機「ゆめどり」と朝日放送のヘリの2機を使い、関空周辺の海域を計15回飛行。
高度約250〜300メートルから、目視でスナメリを調べながら、発見地点でGPSデータを記録し、撮影した写真や動画と照合した。

 その結果、スナメリを140回以上確認。主に関空のある人工島の南数キロの海域で、1頭から最大20頭以上の大きな群れを見つけた。
体長が1メートルほどで生後数カ月の子どもとみられる個体が、成体と一緒に泳ぐ様子も確認できた。
関空周辺には人工的に藻場が作られ、禁漁区があるなど生息しやすいとみられる。

 瀬戸内海のスナメリを調査したことがある国際水産資源研究所の吉田英可主任研究員は
「子どもが複数回確認されており、 関空周辺はスナメリの子育ての海域になっている可能性がある」と話している。