イライラや倦怠感など 月経前症候群 アプリで把握 京大など開発


 イライラや倦怠(けんたい)感といった月経前症候群(PMS)の症状、
その時の気分などを記録して体調管理につなげるアプリを、京都大と
コニカミノルタビジネスイノベーションセンタージャパン(東京都港区)
が開発した。体調変化を自覚することで症状に気づくことができ、事前の
対処につながるという。クラウドファンディング(CF)を3月まで行い、
目標額の500万円に届けばアプリをリリースする。

 PMSは200以上の精神・身体症状があり、客観的な診断指標がなく本人
以外はつらさが分かりにくい。製薬会社などの調査では、月経周期に伴う
症状(腹痛、貧血など)による社会経済的損失は1年間で6800億円以上と
する試算もある。

 PMSも含めると、女性が日常生活を送ったり働いたりする上で影響は大きい。
就労女性の約半数は「元気な時と比べて仕事のパフォーマンスが半分以下に
なる」と感じているが、多くが対策を講じていない。

 開発したアプリ「モニシア」は、月経の日数や量、便通の状態、体重の
管理、体温の他、イライラや不安といった心の状態や頭痛、むくみなどの
身体的症状も入力する。使用者に負担がかからないシンプルな作りで、
数値をグラフや色で表示することで身体・精神の周期的な変化を可視化。
月経前の時期も予測し、体調や気分が悪い時期に負担の大きい仕事や
行事を避けることにもつながる。

 月経に関するアプリは多いが、避妊や「妊活」に主眼を置いたものが
ほとんどで、開発に関わった江川美保・京大医学研究科助教は「診療経験を
反映したきめ細やかな設計にした。PMSが重い人の中には、自尊感情が
低下している人もいる。アプリで自分をケアする方法を身につけてほしい」と
している。

 CFは専門サイト「Readyfor」(https://readyfor.jp/projects/monicia)で
3月10日午後11時まで実施している。


毎日新聞【菅沼舞】(2019年2月2日 13時08分、最終更新 2月2日 13時08分)
https://mainichi.jp/articles/20190202/k00/00m/040/114000c

PMSなど月経周期に伴う身体・精神的な症状を記録できるアプリ
「モニシア」。見やすいように色合いやデザインが工夫されている
=京都市左京区の京都大で2019年1月23日午後3時28分、菅沼舞撮影
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/02/02/20190202k0000m040113000p/9.jpg