■ 人気の珍しい動物たちだが、現実は臭く、扱いにくく、ときに危険

レッサーパンダをペットにいかが? ナマケモノは? キュートな霊長類のスローロリスは?
珍しい動物を飼いたいという需要が高まっている。その一因は、インターネットに投稿されているかわいい動物たちの動画だ。そうした動画の中には、まるで野生動物が飼いならされているかのように見せかけたものもある。

もちろん、動物福祉の観点から、野生の動物を飼うべきではない。家畜化されていない野生動物は、人間の住居ではなく自然環境で生きられるよう進化を遂げている。しかもその取引では、動物は残酷に扱われ、多くの場合、密猟によって供給されている。
しかし、もっと直接的な理由もある。野生動物はフワフワでかわいいが、ペットに適していないのだ。人気のエキゾチック・アニマル10種について、詳しく解説しよう。

■ レッサーパンダ

レッサーパンダは赤褐色の豊かな体毛、フワフワの大きな耳、フサフサした縞模様の尾が特徴。抱きしめたくなるような外見だが、レッサーパンダは動揺すると、肛門腺から刺激臭を発する。捕食者を撃退できるほど強烈な臭いだ。
「野生動物をペットにしたいとは思わないでしょうが、特にレッサーパンダは飼わない方がいいと思います」と、米シンシナティ動植物園の園長セイン・メイナード氏は話す。「ネコのようなかぎ爪を持っており、家具をズタズタに切り裂くのはもちろん、飼い主も被害を受ける可能性があります。また、多くの哺乳類がそうであるように、縄張りをマーキングします。家は文字通り、悪臭を放つようになるでしょう」

さらに、レッサーパンダの生息地は中国中央部やネパール、ミャンマー北部の雨の多い高地の森林で、ほとんどの時間を樹上で過ごす。この環境を再現するのは(明らかに)難しい。
しかも、生息地全域で絶滅の危機に陥っており、ワシントン条約(正式名称「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)で商取引は禁止されている。

■ ナマケモノ

動きの遅い静かな哺乳類で、中南米の熱帯雨林やマングローブに生息する。生涯のほとんどを樹上で過ごし、週に1回程度、排便のために降りてくる。いつものんびりしているため、落ち着いた性格と思われがちだが、必ずしもそうではない。
ナマケモノは脅威を感じると、鋭いかぎ爪(と歯)で身を守る。社会性はあまり高くなく、交尾と子育てのとき以外は単独生活を送る。

「ナマケモノはか弱い動物です。日常的に(人に)触られると、重度の精神的ダメージを受けるおそれがあります」と、動物福祉に取り組むNPO「世界動物保護協会」のエキゾチック・ペット部門の責任者、カサンドラ・ケーネン氏は話す。
また、ナマケモノは温度変化にとても敏感だ。健康を維持するには、気温約26〜30℃、湿度80%の環境で飼う必要がある。

■ フクロモモンガ

飼育下繁殖が可能で、入手しやすいこともあり、エキゾチックなペットとして非常に人気が高い。米国、オーストラリアの一部と英国では所有が認められているが、「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」をはじめとする動物愛護団体は国際的な所有の禁止を求め続けている。
オーストラリアと周辺の島々に分布するフクロモモンガはとても社会性が高く、大きな家族群で暮らしている。シュガー・グライダー(sugar glider)という英名からわかる通り、前脚から後脚までつながる皮膚を広げて樹間を滑空できる。三日月形の鋭いかぎ爪を持ち、木登りも得意だ。

かぎ爪は長さ2.5センチ足らずだが、触る時には手袋をはめないと、不快な思い、さらには痛い思いをすることになるだろう。爪を切る人もいるが、容易ではない。少しでも手元が狂えば、指先まで切ってしまう恐れがある。
また、フクロモモンガは夜行性で、大きな声を出すことで知られる。体長約15センチと小さいため、見失ったり、逃げられたりする可能性も高い。

■ フェネックギツネ

北アフリカや中東の砂漠に生息する世界最小のキツネ。平均体重はわずか1キロほどだ。クリーム色の体毛に厚く覆われており、昼間は暑さから身を守り、夜は体を温かく保つことができる。
穴掘りが得意で、地下の巣穴に複数で暮らしている。前脚をシャベルのように使い、最長約10メートルのトンネルを掘る。尿はスカンクの分泌液のような臭いで、脅威を感じると、肛門腺から悪臭を放つこともある。

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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190203-00010000-nknatiogeo-sctch