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コラム
2019年2月6日 / 08:11 / 9時間前更新
コラム:崩壊寸前のベネズエラ、「再建」できるか
Martin Langfield
[ニューヨーク 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 南米の産油国ベネズエラが破綻国家の様相を呈しつつある。過去5年で経済規模が半減し、国民の1割以上が国外に去った。

多くの問題の元凶となったのはマドゥロ大統領だが、今なお権力の座にとどまっている。ただし、野党指導者のグアイド国会議長が「暫定大統領」就任を宣言し、米国など西側諸国の支持を得ている。

マドゥロ政権が崩壊した場合、ベネズエラは基本機能を回復するために外国の友人の助けが必要となる。その場合、融資や投資が最善の策となるだろう。トランプ米大統領が3日示唆したような米国による軍事介入ではない。

ではどのようにすればベネズエラを再建できるか、以下にまとめた。

●コストはどのくらいか

当初は年間150億─200億ドル(約1.6兆─2.2兆円)とみるのが妥当だろう。これはベネズエラの経済学者フランシスコ・ロドリゲス氏が、昨年の大統領選で支持していたアンリ・ファルコン候補の選挙活動中に試算していた推定額だ。民間投資のほか、国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関が融資を提供する必要がある。

最近では、かつてベネズエラ企画相を務めた米ハーバード大学のリカルド・アウスマン氏が、数年間で600億ドル超、恐らく800億ドル程度の資金が必要と試算している。

●膨大な額に聞こえるが

何とも言えない。ベネズエラには豊富な原油がある。3000億バレルの埋蔵量が確認されており、世界最大を誇る。

●だが、ベネズエラの石油産業は混乱している

その通りだ。生産量は2013年の日量240万バレルから、今年は同100万バレル未満に減少する見通しだ。投資不足や熟練スタッフの離職、そして業界の専門知識よりもマドゥロ大統領への忠誠心で知られる軍当局者の幹部任命が原因だ。

それでも、2013年の生産レベルが回復するなら、1バレル当たり50ドルと仮定すると、国営石油会社PDVSAは、2年以内に800億ドルの収益を上げることができるだろう。
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